クロモジ(黒文字)は日本原産の植物で、岩手県以南の本州・四国・九州に自生するクスノキ科の低木です。「黒文字」という少し変わった木の名の由来には諸説がありますが、枝の樹皮につく黒い模様が文字のように見えることからそう呼ばれるようになった説が有力のようです。古くから楊枝の材料として重用され、現在でも、根元に皮を残した上品な楊枝は茶道の和菓子に添えられたり、高級料亭で使用されたりするなど、特別な時に活躍しています。




クロモジの基本情報

主な成分:リナロール、ゲラニオール、α-テルピネオール、酢酸ゲラニルなど
香りの機能:鎮静、抗菌、抗ストレス
キーワード:穏やか、落ち着き、柔らか

クロモジは、暮らしの身近にある良い香りの木として古くから日本人に親しまれてきました。小枝や葉を折るとよい香りを放つことから「疲れを癒す木」としても有名で、旅人は山歩きの合間にその香りで疲れを癒したそうです。クロモジの香りはまさに疲れを癒してくれるような、落ち着きのある甘さが特徴的な木の香り。木の落ち着いた印象だけでなく、フローラル調の甘さを含んだ香りです。和精油らしい繊細な奥ゆかしさがありながらも、気品や華やかさを感じさせる大変上品な香りです。 リラックス効果の高い成分が多く含まれており、気持ちを高揚させ、ほぐすようにしてストレスから開放してくれる香りです。日本の暮らしに昔からなじんでいる香りなので、日本人には特になつかしさや落ち着きを感じさせ、安心感を与えてくれます。




JD08 禅

寺院や神社のような静けさと、深い落ち着きを与える香り
原料:サイプレス、ヒノキ、クロモジ、ローズマリー、シダーウッドetc.


City series 仙台(SENDAI)

木漏れ日が差し込む並木道を彷彿とさせるような落ち着きのある木の香り
原料:サンダルウッド、クロモジ、青森ひば、コリアンダー、柚子 etc.


使うシーンや季節

クロモジは、和精油の中でも高級感や上品さを感じさせる香りです。穏やかなやさしい印象とともに、知性を感じさせる凛としたイメージも合わせ持った、和服をまとった美しく落ち着いたたたずまいの日本女性のような風情を感じさせます。日本人の感性に合う香りなので、高価な香りではありますが、和室にほのかに香らせて使用することはもちろん、日ごろから疲れを感じた時に、ハンカチに1滴垂らしたり、眠る前に寝室に漂わせるなど、日常にもぜひ取り入れていただきたい香りです。落ち着いた印象なので、秋から冬にかけてなど、気温が低い時期のほうがより、あたたかみが心地よく感じられます。希少価値が高く、精油が大変高価なため、他の香りとの組み合わせを楽しみながら、魅力を味わってみてください。