ジャスミンは、インドなどの熱帯や亜熱帯地方に広く生育する植物で、約300種もの品種があると言われています。精油は、たくさんの花からほんの少しの量しか取れないため、非常に高価なオイルであることでも知られていますが、その香りの良さから「花の王」という別名もあります。古くから世界各地で愛され、香水の原料として人気の高い香りで、欧米などでは女性の名前にもよく使われています。
近年では丈夫で育てやすいことから、日本でも民家の庭でよく見かけるようになりました。5月頃、夜に外を歩いていると白や黄色の花から漂う良い香りに出会うことができます。

基本情報

科名:モクセイ科
学名:Jasminum officinale
抽出部位:花
抽出方法:溶剤抽出法
主要産地:インド
主な芳香成分:酢酸ベンジル、ファルネソール、ゲラニオール、ジャスモンなど
香りのタイプ:フローラル
香りの揮発性:ミドルノート
香りの印象:強程度

香りは、「花の王」の名のとおり大変華やかで甘い花の香りです。濃厚な香りからは、熱帯のエキゾチックさも感じられます。200種類以上ともいわれる数多くの成分から構成された香りで、複雑な繊細さの中にはわずかに動物的(アニマリック)に感じられる、独特な香りが含まれているのが特長です。そのクセになるような香りの良さは、他の花にはない魅力といえるでしょう。


香りのもつ機能

香りの良さだけでなく、ストレスを抱えた心を解きほぐし、バランスを取ってくれる効果効能も持ち合わせています。気分を落ち着かせると同時に、前向きな気持ちを思い出させてくれます。疲れて積極性を失っているときや、悲観的になっているときに、自信や意欲を取り戻させてくれる効果も。幸福感や高揚感のある香りなので、1人の時間にはもちろん、大切な人とゆっくりとリラックスして過ごしたい時にもぴったりです。
また、女性の味方になってくれる香りとも言われています。ホルモンバランスを整え、月のリズムの影響ですぐれないときに香りを取り入れると、つらさを和らげてくれる効果が期待できます。


使うシーンや季節

心を落ち着かせながら高揚感や幸福感をもたらす香りなので、ブライダルの場面やパーティのおもてなしなど、とっておきのシーンで使用するのがおすすめです。また、優雅なシーンで心をほぐしリラックスさせるためにも活躍します。
週末の夜、一人ゆっくりと過ごす時間や、家族や友人、恋人とのひとときに。心身ともに満たされた気分に浸ることができます。ナーバスになりがちな、大切な予定のある前日の夜に、気分をほぐしながら明るく前向きに過ごす助けにもなります。


相性のいいオイル

ハーブ系:レモングラス、ゼラニウム
シトラス系:オレンジ、ベルガモット
ウッド系:サンダルウッド、ホーウッド、シダーウッド
フラワー系:ローズ、ネロリ

甘く特長的でエキゾチックな魅力を引き出してくれる、サンダルウッドやレモングラスなど熱帯原産の香り同士の組み合わせをはじめ、様々な香りとの相性を楽しむことができます。スパイス系との相性も良いです。


「ジャスミン」をブレンドした香り

S02 ハッピー

名前の通り、明るく元気な気持ちをもたらすイメージでつくられた香りです。あたたかみのあるオレンジをはじめとする柑橘系の香りに、幸福感を感じるジャスミンの香りが加わり、自然と笑顔になれるような香りに仕上げました。
原料:オレンジ、ジャスミン、タンジェリン、ゼラニウム、マンダリンetc.

JD06 淡(AWA)

ジャスミンやイランイランの華やかさに、アクセントしてシソが加わることで、満開の桜の景色を思わせるような趣深い香りになっています。濃厚な花々の香りを爽やかなグレープフルーツがまとめ、軽やかな春の雰囲気が感じられます。
原料:ジャスミン、イランイラン、シソ、ゼラニウム、グレープフルーツetc.

D12 ブリリアントレッド

S02やJD06とは異なり、ジャスミンの甘く濃厚な香りが全面に出された品のあるフローラルな香りです。華やかでありながらグリーンな印象も合わせもつゼラニウムが、ジャスミンのフローラルな香りを引き立たせています。
原料:ジャスミンサンバック、ゼラニウム、イランイラン、オレンジ、クラリセージetc.