ラバンディンの香りと効能・使い方

フローラルな甘さとすっきりとした清々しさのある香り

ラバンディンとラベンダーの違いについて、知っていますか?ラベンダーといえばリラックスアロマを代表するアロマセラピーの中で、最もポピュラーな香りですが、ラバンディンはその代表的な品種のひとつなんです。ラバンディンは、真正ラベンダーと耐暑性の高いスパイクラベンダーの自然交雑によって生まれたハイブリット種です。 この交雑は昆虫、とくにミツバチが花から花へと花粉を飛ばすことで生まれたものだといわれています。 ラバンディンは気象条件や生育する土壌に対して強い適応力を持つためとても育てやすく、見た目も真正ラベンダーよりも大きく育ちます。ただし不稔性(ふねんせい)といって種子を自らつくることができないため、通常は挿し木によって増殖をおこないます。 同じラベンダーの仲間であるラバンディンですが、香りの印象や効果効能において真正ラベンダーとはどのような違いがあるのでしょうか。これから詳しく紐解いてみましょう。

ラバンディンの基本情報

科名:シソ科
学名:Lavandula intermedia Greyhedge
抽出部位:花、葉
抽出方法:水蒸気蒸留法
主要産地:フランス、トルコ
主な芳香成分:酢酸リナリル、リナロール、カンファー、ボルネオール
1,8-シネオール、テルピネン-4-オール

ラバンディンの特徴

香りのタイプ:ハーバル
香りの揮発性:トップ~ミドル
香りの印象:中~強
星座:双子座

ラバンディン

どんな香りの印象?

フローラル調の甘さと穏やかさを持つ真正ラベンダーの香りと比べ、ラバンディンはすっきりとシャープな香りで、全体的にクリアーな印象を持っています。爽やかな香りと、ラベンダーのような甘さのある香りを楽しみたいときなどに使ってみていただきたい香りです。 ともに酢酸リナリルとリナロールという成分を含む植物ですが、ラバンディンが真正ラベンダーと異なるのはカンファーと呼ばれる成分の量が圧倒的に多く含まれていて、やや樟脳のようなシャープなニュアンスを感じる点です。 ラベンダー類は最もポピュラーなアロマの一つですが、意外にも好みが分かれやすい香りでもあります。他の香りと程よくブレンドすることで、幅広い方に親しんでもらえるようになります。 ラバンディンの中にも様々な種類がありますが、主にアブリアル(Lavandin abrial)、 スーパー( Lavandin super)、グロッソ( Lavandin grosso)という品種が有名です。

ラバンディンの効果効能は?

ラバンディンはカンファーやボルネオールと呼ばれる成分を含むため、どちらかといえばリフレッシュしたい時におすすめしたい香りです。一方のラベンダーは、安眠やリラックスといった目的で使用することが多いですので、夜の睡眠時にはラベンダー、日中の活動的な時間帯にはラバンディンと言われることもあるように、シーンや目的に応じて使い分けをおこなうとよいでしょう。

心への影響

真正ラベンダーほど多くはありませんが、酢酸リナリルやリナロールといった成分を含むため、ある程度の鎮静作用が期待できます。 ラバンディンは心に落ち着きをもたらしますが、その一方でカンファーという成分が脳や身体の働きを活発にするサポートをおこないます。そのことから、勉強タイムの集中力アップや仕事の合間の気分転換として活用するのがおすすめです。考え事などが煮詰まってしまった時などにもよいでしょう。爽やかな香りとともに、頭の中をすっきりとしてくれます。

身体への影響

属名であるLavandulaの語源は、ラテン語の「lavo(洗う)」に由来します。古代ギリシャ・ローマでは真正ラベンダーを入浴剤や洗濯の香料として使用していたり、中世では傷を洗い清め、浄化したりするために使用していました。 ラバンディンに多く含まれるカンファーは神経が高ぶってしまったときなどに使うと興奮を抑え、心身の回復を促してくれます。 鎮痙作用があることから運動後のケアに役立てたり、肌の細胞活性にもよいためスキンケアとして使われることもあります。その他免疫賦活や抗菌、抗真菌作用が期待できるため、空気環境の改善や感染症予防にもおすすめです。

ラバンディンと相性のいいオイル

ハーブ系: ペパーミントティートリー
シトラス系:レモン ウッド系:ユーカリ、サイプレス
フラワー系:ゼラニウムイランイラン

基本的にハーブ調の香りとはよく合います。清涼感が欲しいときに、ユーカリやペパーミントでは少し刺激が強いと感じる場合や、ほのかに甘さが欲しい時などに使うと、すっきりとしながらも優しい印象の香りを表現できます。 またイランイランなどの濃厚なフラワー調の香りにラバンディンを少しプラスすると、まったりとした重さがやわらぎ、全体的に軽やかな印象にしてくれます。

使用する際の注意点は?

シャープな刺激を感じる香りですので、お子さま向けの香りをブレンドする際は分量に気を付けたり、柑橘調の香りを加えるなど、やわらかな印象となるよう心がけましょう。

ラバンディンを使ったブレンドオイル

すっきりとした香りが清潔な空気環境を作り出す

花粉の季節のケアに/空気が重たく感じるときに
C10 クリアーティートリー 10ml 1,650円
ティートリーのクリーンな空気に包まれる、清潔感と心地よさをそなえた穏やかな香り
原料:ティートリーユーカリカモミールクローブ、ラバンディンetc.

使うシーンや季節

シーン

ラバンディンは頭をシャキっと覚醒させるような働きがあるため、就寝前よりも昼間の時間帯に使うのがおすすめです。抗菌作用をもつ香りの中では爽やかな印象の中にも穏やかな甘さを持つため、女性が集まりやすいフィットネスクラブやヨガスタジオなどのロッカールームや、パウダールームに適しています。 ユーカリやラベンダーなどの香りとブレンドすると、空間はすっきりと清潔感を保ちながら、心にはリラックス作用をもたらしてくれます。

じめじめとした梅雨の季節には、多湿になりがちなバスルームやランドリー周りの空気環境ケアとしても使用できます。ご自宅でルームスプレーを作っておくといつでも手軽に使え、香りも瞬時に広がります。 また免疫賦活作用も期待できるといわれていますので、感染症や風邪の流行が気になるときや、常にクリーンな環境が求められるクリニックの待合室などにも取り入れていただきたい香りです。似たような作用を持つティートリーとブレンドし、相乗効果を高めるといった使い方もおすすめです。 すっきりとした爽やかさと、ほのかに香るフローラルの印象を併せ持つラバンディンの香りで、心身をリフレッシュしながら清潔感のある空間を楽しんでみてくださいね。

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アロマ空間デザインインストラクター 岡田ひとみ

アロマ空間デザインインストラクター 岡田ひとみ

福岡出身。店舗でのストア店長経験を経て、現在はスクールの運営と講師業務に携わる。 天然アロマならではのアロマ空間デザインの魅力やその楽しさを、分かりやすく伝えることを心がけている。
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