ホーウッドの香りと効能・使い方
甘く柔らかな落ち着いたウッドの香り
和名を「芳樟(ホウショウ)」といい、クスノキの変種といわれています。主に台湾や中国南部に分布し、日本では昭和22年に台湾から種子が持ち込まれ、鹿児島県にて増産が始まったとされています。
ホーウッドというと、ローズウッドの代用としてご存じの方も多いことでしょう。ローズウッドがワシントン条約の保護の対象となったことで、ブラジル産ローズウッドの輸出入が難しくなり、その香りの印象が似ているということから注目を集め始めたのがホーウッドでした。
ホーウッドの香りはローズウッドにとても似ていますが、より軽やかさがあり、甘さとスパイシーさが感じられるのは、ホーウッドの特徴と言えます。
ホーウッドの基本情報
科名:クスノキ科
学名:Cinnamomum camphora
抽出部位:木部
抽出方法:水蒸気蒸留法
主要産地:中国、台湾
主な芳香成分:リナロール、トランスリナロールオキサイド
ホーウッドの特徴
香りのタイプ:ウッド
香りの揮発性:ミドルノート
香りの印象:中~強
どんな香りの印象?
やわらかなウッドの落ち着きと、フローラルな甘さを持ち合わせたホーウッドの香りは、その心地良さから多くの人を魅了する、人気の香りの一つです。
ヒノキが和風、サンダルウッドがオリエンタルな印象の香りだと表現するならば、ホーウッドは西洋的でエレガントな印象をもった、甘くてやさしいウッドの香りといえます。
日本に多く生育するクスノキからは「カンファー(樟脳)」という成分が採れます。これは防虫剤のようなシャープな香りを放ちますが、ホーウッドは同じクスノキ科でもカンファーをほとんど含みません。ホーウッドの主成分は、リナロールというフローラルでフルーティーな甘い香り成分を含むため、とても穏やかでやさしい香りがするのです。
また、ホーウッドの香りは木部から採れますが、葉からも精油を採ることができ、ホーリーフという名で知られています。もしホーウッドの木を見つけたら、葉っぱをこすって香りを嗅いでみてください。ほのかに甘い香りが楽しめます。
ホーウッドの効果効能は?
ホーウッドの芳香成分のうち、80%以上を占めるのがリナロール。リナロールは、ラベンダーやベルガモット等にも含まれ、高い鎮静作用が期待できると言われています。また香りも穏やかなことから、ストレスを感じた時やおやすみ前など、心を解放してリラックスしたいときに使うのがおすすめです。
心への影響
鎮静作用が期待できるため、過度なストレス状態にある時や、疲れがたまっている時に芳香浴として楽しむとよいでしょう。すっと肩の力が抜けていくような、緊張を解してくれる働きが期待できます。
身体への影響
全身の働きを活性化してくれる強壮作用、そして抗菌作用をもつため、身体のバリア機能を高めてくれるといわれています。
また、抗菌の機能がありながら、優しい香り立ちで作用も穏やかなことから、スキンケアとしても活用されることが多い香りです。
ホーウッドと相性のいいオイル
ウッド系:フランキンセンス、サンダルウッド
フローラル系:イランイラン、ゼラニウム
ハーブ系:ラベンダー、クラリセージ
基本的に色々なオイルと合わせやすく、合わせるオイルによって華やかにも落ち着いた印象にもなります。
優しさや柔らかさを出したい時の香りのベースになりやすく、ウッドの中では、西洋的な表現ができる香りと言えます。
使用する際の注意点は?
ウッド系の香りの中では重すぎず、使いやすい香りですが、しっかり入れると、甘く濃いめの印象となるので注意が必要です。
メインとして使用する場合もたくさん入れすぎると全体の輪郭がぼやけてくるので、他のオイルとのバランスをみながら調整しましょう。
ホーウッドを使ったブレンドオイル
自分でブレンドするのは大変という方に、芳香浴用にブレンドされたエッセンシャルブレンドオイルを2種ご紹介します。ホーウッドの魅力を引き出したプロのブレンドをぜひお楽しみください。
品のあるウッドの香り
落ちついた大人の雰囲気と上品さが特別感を演出
B19 フランキンセンスウッド 10ml 1,980円
存在感のある気品と静けさが、心を芯からリラックスさせる
原料:フランキンセンス、ホーウッド、サンダルウッド
誰もが笑顔になれる、やわらかな香り
家族みんなで集まるリビングや、お客様のおもてなしにも
D06 ピースフルスマイル 10ml 1,980円
普遍的に好まれるナチュラルな気品をそなえた、シトラスとハーブの穏やかな香り
原料:グレープフルーツ、カモミール、ベルガモット、サイプレス、ホーウッドetc.
使うシーンや季節
ホーウッドのキーワードといえば、落ち着き、クラシック、エレガントなど。ウッドの中でもひときわ華やかさと甘さをもち、空間演出では暖かみのあるムードを演出することのできる香りです。カラーイメージも茶色だけでなく、赤やオレンジなどの暖色系の色味も表現します。
香り自体にはあまりクセが無いため、アロマ初心者の方や、きつい香りが苦手という方にも使いやすく、活用シーンも幅広いのが特徴です。
リラックス作用のある香りなので、心と身体を休める時間に使うのがおすすめです。たとえば、自宅であればくつろぎの時間を過ごすリビングや寝室で香りを広げると、ほっと心が和むリラックスタイムを演出できます。
また、イランイランやローズといった華やかなフローラル調の香りとブレンドして、ブライダルやパーティーなどで祝福ムードを高める演出をしたり、フランキンセンスやサンダルウッドなどの落ち着いたウッドの香りとブレンドして、格式高いホテルのエントランスでのおもてなしの演出をすることもできます。
日常的な癒しのひとときから、ちょっとクラシカルな特別空間まで、様々な表現が叶うホーウッドの香り。ぜひブレンドにも挑戦し、様々な香りとの相性を楽しんでみてください。

アロマ空間デザインインストラクター 岡田ひとみ

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