コリアンダーの香りと効能・使い方

ほのかに刺激のある、温かくスパイシーな香り

コリアンダーはヨーロッパ東部、地中海沿岸を原産とするセリ科の一年草(または二年草)で、古代より宗教儀式などで使われてきた歴史のある植物です。紀元前1,500年頃の医学書ではコリアンダーの料理法や利用法が記されていたことがわかっており、旧約聖書にも登場しています。
中国では香菜(チャンツァイ)、タイではパクチーとよばれ、葉の部分は南米やアジアといった熱帯地方のエスニック料理に欠かせません。近年日本でもパクチーの人気が高まっていますが、葉の部分の香りは独特のクセがあり、好みが分かれる食材でもあります。
そんなコリアンダーのエッセンシャルオイルとしての香りの特徴について、紐解いてみましょう。

コリアンダーの基本情報

科名:セリ科
学名:Coriandrum sativum
抽出部位:種子
抽出方法:水蒸気蒸留法
主要産地:モロッコ、ロシア
主な芳香成分:リナロール、α-ピネン、カンファー

コリアンダーの特徴

香りのタイプ:スパイス
香りの揮発性:トップノート~ミドルノート
香りの印象:強い

どんな香りの印象?

コリアンダーの香りは、その種子から抽出されます。香りの印象は香草ならではのハーバルな雰囲気と、包み込まれるような温かさや甘さをもつのが特徴です。生葉の香りは少々鼻を突くような刺激的なクセがありますが、エッセンシャルオイルの香りはほのかに柑橘に似たフルーティな甘さを含んだスパイシーな印象で、葉に比べると嗅ぎやすさがあります。パクチーが苦手という方も、種子であるコリアンダーの香りは比較的使いやすさがあるのではないでしょうか。
空間に広げると、程よいスパイシーさと甘さがオリジナリティーを生み、躍動的でアクティブな印象を後押しします。

コリアンダーの効果効能は?

薬草として3,000年以上の歴史があると言われているコリアンダー。先史時代の遺跡からも発見された記録があるなど、古くから貴重なスパイスの一つとして人々の生活に根付いていたことが分かります。コリアンダーやパクチーは、単なる料理の彩りや香りづけとしてだけでなく、その香りの作用を活かして肉や魚の臭み取りなどに使われてきました。
エッセンシャルオイルとしての効果効能も多岐にわたり、主に抗ストレスや鎮静、消化促進といった目的で活用されます。

心への影響

成分のうち、鎮静作用を司るリナロールが半分以上を占めます。また、似たような作用をもたらすα-ピネンなども含まれることから、リラックス効果が期待できます。
コリアンダーの刺激的な香りは、無気力で元気が出ない時などに気分を高揚させ、やる気アップや集中力を高めることにも役立ちます。

身体への影響

消化を促し、胃腸の働きを整えます。とくに神経系からのストレスが原因で起こる消化器系の不調にやさしく働きかけます。
また、体を温め、気の巡りをよくすることから、全身の血行促進や筋肉痛、リウマチの緩和にも使われます。

コリアンダーと相性のいいオイル

シトラス系:ベルガモットグレープフルーツライム
ウッド系:ヒノキホワイトサイプレスジュニパー
ハーブ系:ローズマリー、マジョラム、ラベンダー
バルサム系:フランキンセンス

コリアンダーは個性的な香りのため、ブレンドのメインというよりは、他の香り同士をつなぐ潤滑油として活用することで、その魅力を活かせる香りです。ハーブ系とフローラル系、またはウッド系の香りが上手くまとまり、香りのアクセントとして独特なニュアンスと奥行きを出すことができます。
フランキンセンスやヒノキなどとブレンドすると、温かみのあるスパイシーさが際立ち、またグレープフルーツなどの爽やかなシトラス系と合わせると、個性あるシトラス調の香りが表現できます。

使用する際の注意点は?

大人っぽい印象をもち、好みが分かれやすい香りでもあるため、使用するシーンを考慮しながら楽しみましょう。小さなお子さまやアロマの香りに慣れない方がいる空間では、シトラスなどのナチュラルな香りとブレンドして、濃度に気を付けましょう。

コリアンダーを使ったブレンドオイル

自分でブレンドするのは大変という方に、芳香浴用にブレンドされたエッセンシャルブレンドオイルをご紹介します。コリアンダーの魅力を引き出したプロのブレンドをぜひお楽しみください。

ゆったりくつろげるリラックスブレンド

リラックスの定番であるラベンダーとベルガモットの組み合わせに、コリアンダーの個性が光る
B07 ベルガモットラベンダー 10ml 2,200円
甘くソフトで、果てしないくつろぎをもたらす
原料:ベルガモットラベンダー、コリアンダー

使うシーンや季節

アロマ空間デザインにおいて、コリアンダーは空間のイメージを大きく左右する重要な香りの一つです。
脇役として使うことが多いながらも、時にはポジティブ、オリジナリティー、先進的といった印象を、また時には温かみを助長するような印象をもたらします。

インテリアスタイルも、ナチュラルなものからオリエンタル、モダンといったスタイルまで幅広く使えます。とくに、個性的なデザインや流行りのアイテムを取り扱うアパレルやセレクトショップ、またホテルエントランスでの演出には向いている香りです。
香り自体も独特な個性があるため、一度体感すると忘れられないような特別感のある演出をすることができます。

コリアンダーの香りの魅力は、単なるスパイス系というだけでなく、じんわりと温かくなるような柔らかな甘さをもち合わせているところにあります。甘さといっても、ローズやゼラニウムなどの様な華やかなイメージではなく、スパイシーな刺激も感じられるキレのよい甘さのため、スイートな印象が苦手な方にもおすすめできる香りです。
普段使いの香りにコリアンダーをほんの数滴プラスして、いつもと違う空間を楽しんだり、気分転換をしたりと、ぜひ日常のアクセントとして活用してみてください。

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アロマ空間デザインインストラクター 岡田ひとみ

アロマ空間デザインインストラクター 岡田ひとみ

福岡出身。店舗でのストア店長経験を経て、現在はスクールの運営と講師業務に携わる。 天然アロマならではのアロマ空間デザインの魅力やその楽しさを、分かりやすく伝えることを心がけている。
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